2025/06/05 16:08
一基の石碑から、物語は再び動き出した――。『源氏物語』ゆかりの地・誕生劇は、5代明石城主の仕掛けなのか

明石の浦近く、小さな寺の境内に、ひっそりと建つ一基の石碑。5代明石城主・松平忠国が、江戸時代初期(明暦3年/1657)に自ら詠んだ歌を刻み建てたといわれています。
いにしへの 名のみ残りて有明の 明石のうへのおやすみしあと
この歌が『源氏物語』に登場する「明石の上」の父「明石入道」の館跡を詠んだものと解釈され、「明石入道の碑」は明石における“物語史跡”の出発点となりました。やがて、源氏屋敷・光源氏月見の松・源氏月見寺、光源氏月見の池・岡の屋形など、次々と“『源氏物語』ゆかりの地”が誕生していきます。
はたして、『源氏物語』ゆかりの地・誕生劇は、5代明石城主の仕掛けなのか。