2021/06/15 10:49




メンタルヘルスマガジン『こころの元気+』ちょっとオススメ(P51)に、書籍『心病む夫と生きていく方法〜統合失調症、双極性障害、うつ病… 9人の妻が語りつくした結婚、子育て、仕事、つらさ、そして未来』へのご感想を掲載いただきました。

『こころの元気+』は、特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボの賛助会員の方にお届けするメンタルヘルスマガジンです。

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BOOKS 心病む夫と生きていく方法

「一番つらかったあの頃に出会いたかった」それが本を読み終えた率直な気持ちでした。

私の夫は約20年前、念願のマイホーム購入&妊娠という時期にうつ病を発症、数年で落ち着いたものの、その後パニック障害を患い今に至ります。

昨年から続くコロナ役でテレワークが中心となり、朝起きられない夫にとって、この仕事のスタイルは幸いと思いつつも、調子を崩すと機嫌が悪く1日寝てばかりなので、一緒にいる私まで気持ちが滅入り、精神的にまいっていました。

夫婦共に50代に入り、

「このまま一生を終える人生でいいのだろうか?」と思い悩み、何か情報はないかとネットで検索したところ、

「配偶者の会」、そしてこの本の存在を知りました。

ここには、うつ病・双極性障害・統合失調症といった心の病をかかえた夫をもつ妻が、どのように困雄を乗り越えてきたのかという「リアル」が描かれています。

第1章は「夫と共に生きていく」選択をした7人の妻達の座談会で、この本の著者である陰山正子先生が本音をとんどん引き出していきます。同じ悩みをもつ「妻」という立場だからこそ共感できる点が多く、漠然としていた不安も「ボイント」としてわかりやすくまとめられていました。

第2章では4人の体験談が語られています。

この中の「『家族なのだから」と言われるたびに、やりきれない思いや、なぜうちだけこうなのだろうかと夫を責めるような気持になったこともあります」という妻の言葉に、「あの頃この本に出会えていたなら」と、もがき苦しんだ日々を思い出し涙しました。

そして「この先ずっと背負っていくのかな」「逃げ出したい」「幾度となく離婚を考えた」という言葉は、50代に入った今の私の心そのままでした。

心の病をもつ夫と生きていくために「しっかりしなきゃ!」と折れそうになりながらもがんばっている、そんな妻の皆さんに、ぜひとも読んでいただきたいです。

子育て世代からシニア世代まで、「私だけじゃない。もっと力を抜いて夫と向き合っていこう」と前向きな気持ちになれる、すてきな本です。

(あやか)


『心病む夫と生きていく方法 統合失調症、双極性障害、うつ病… 9人の妻が語りつくした結婚、子育て、仕事、つらさ、そして未来』について

【あなたはひとりじゃない】

ある日、夫の様子がいつもと違う。 明るく優しい夫が心の病を患った。

仕事に行けず、一日中家にいる夫。

子どもも小さく、これからの人生を考えると不安で押しつぶされそうになる妻。

統合失調症、双極性障害、うつ病… 妻がどのような困難にぶつかり、どう乗り越えてきたのか、そして、どのように変わったのか。 体験談と座談会を通じて、ひとつひとつに向き合い、精神障がい者の家族支援研究者 蔭山正子先生(大阪大学大学院准教授)と一緒に考えていきます。

※妻の体験から役立ったこと等、分かりやすい解説付き。読みやすい本です。いま、つらさの中にいる方にこの本をお伝えいただけたらと思います。