2019年7月29日付けの『福祉新聞コラム三念帖』で、「追体験 霧晴れる時 今および未来を生きる 精神障がいのある人の家族 15のモノガタリ 」(青木聖久・著、ペンコム・刊、インプレス・販売)をご紹介頂きました。
家庭内の問題を外に出して良いのだという意識は、今なお浸透の途上にあろう。
そんな昭和から平成を歩んだ精神障者の家族の物語15編を収めた『追体験霧晴れる時』(ペンコム)を読んだ。
発病者がいると、その家族は自分を犠牲にしてでも治療に躍起になる。そんな姿を見てきた著者の青木聖久・日本福祉大教授は「家族である前に自らの人生の主人公と考えることが大切だ」と説く。
病は完治しない。トラブルをゼロにするのも難しい。それでも他の家族の例を参考に、少し視点を変えるだけで見える景色が違う。15編にはそんなメッセージが込められている。